2009年12月04日

リュミエールの子供達

リュミエールの子供達  Les Enfants des Lumiere

(サウンドトラック)



今から、114年前。

フランスはリヨンのある工場の入り口。

大きな三脚を構えて、工場から出てくる女工さんたちを見つめる2人の紳士がいました。

三脚の上には、見慣れない不恰好な箱のようなものが載っています。

箱の正面には、まるいレンズが付いていて、ちょっとみると馬鹿でかい写真機のよう。

2人の紳士、彼らはリュミエール兄弟という写真技師でした。

そして、彼らが大切そうに扱っている不恰好な機械こそ、歴史上始めて動く映像を撮影した史上初のムービーカメラだったのです。

このとき、彼らが撮影したフィルムは、何のへんてつもない、ただ、仕事がおわった工場の女工さんたちが工場を出て家に帰ってゆく、その様子を写した短いものでしたが、史上初の「映画」としての栄誉に輝いています。

リュミエール兄弟が生みだした「映画」

その後、映画は、見る見るうちに人々を魅了し、またたく間に世界に広がってゆく。

映画に笑い、映画に泣き、映画に人生を変えられた人だっている。

映画を作る人も、映画を見る人も、みんな映画で育ってきた。

- そう、私達は、誰もが、リュミエールの子供達だ -

そんなステキなセリフで始まるのが、フランス映画誕生100年を記念して作られた映画『リュミエールの子供達』。

フランス映画の名シーンを、「スペクタル」「特撮」「愛」「コメディ」「歴史」などのテーマ別にひたすらつないでゆく、いわばオムニバス映画。

こういう映画って、ともすれば、学校の教材みたいでつまらないものですが、『リュミエールの子供達』は別格。

十分に楽しめるつくりになっています。

誰もが知ってるクロード・ルルーシュの「男と女」のワンカットや、ゴダールの「勝手にしやがれ」からシャンゼリゼで女の子がNYヘラルド・トリビューンを売り歩いているシーン、

それに、もっと見てみたいけど、日本ではちょっと見られないだろうと思われる古いモノクロ映画のワンシーンとかがあって、私は、何度くりかえしてみたことか分かりません(TVで放映されたときの録画ビデオを擦り切れるほど見たのです)。

フランス映画界の名監督達が協力してつくったもののようですが、そのせいか、単にいろんな映画のシーンをつないでゆくだけでも、編集とか構成とか見せ方がうまいんですよね。

飽きさせず、それどころか、どんどん画面に引き込まれてゆきます。

そうした映画全体の流れのうまさに加えて、この映画を魅力あるものにしているもの、それが、ミシェル・ルグラン作曲のBGMです。

はじめに紹介したサウンドトラックに収録されているのがそれ。

実は、このサントラCD自体も、いまとなっては、幻のCDとなっています。

超レア物のこのCD。

私は、映画『リュミエールの子供達』が日本公開された1995年頃に、大阪は心斎橋のタワーレコードで、そのCDを手に取り、そのときには買わずに去ってしまったのでした。

それから、実に12年。

映画のサウンドトラックって、その映画がよほどメジャーにならない限り、あっという間に消えてしまうんですよね。

もともと、そんなにたくさんプレスするわけでもないし。

なので、超お宝CDになるものもある。

『リュミールの子供達』も、わたしにとっては、ものすごいお宝。

なぜ、あのとき、買わなかったのだろうとずっと後悔しつづけ、、、

タワーレコードに行くたびに、必ずサントラコーナーに立ち寄っては、“ L ” のコーナーを探し、、、

そんな風にしつつ長い年月が流れました。

そして、ついに、アマゾンで未開封の『リュミエールの子供達』のサントラを見つけることができ、やっと、今日手に入れたのです。

手にとって、ジーンと感動してしまいました。

もちろん、中の音楽の、冴え渡るような響きにも。

たかが映画、たかがサントラCDですけれど、こんなにも心が震えるなんて、、、。

音楽がすばらしいだけじゃない、音楽が遠い記憶からひきだしてくれる昔見た映画の感動、その映画を見た頃の自分自身。

それらすべてを想い起こさせるからだと思います。

昔の映画評論家のセリフじゃないけれど、

映画って、ほんとにいいですよね!

だって、私達は、リュミエールの子供たちですから!


by らいおん



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