2009年11月22日

ラウラ・パウジーニ

昨日の晴天はどこへやら

今日の東京は、霧雨の一日

ものすごく寒いので、家にこもりきりの私は、たまりにたまったCDの整理などしておりました。

で、ふとなつくかしくなって聴いたのがこれ、


ラウラ・パウジーニのアルバム " Le Cose Che Vivi "

ラウラ・パウジーニはイタリアのポップ・シンガー(なんか、古臭いな、この表現)です。

このアルバムは10年以上昔のものですが、ラウラ・パウジーニはまだまだ歌い続けているようで。

きちんとした歌唱力があるからでしょうね。

紹介したアルバムでも、しっかりした歌いっぷりで、ポップス全開という感じの歌をたっぷり聴かせてくれます。

日本ではマイナーなラウラ・パウジーニ。

J-ポップだとだれに相当するでしょうね。

うただひかるでしょうか?

いや、ミーシャが近いかも。

you tube あたりでUPされているラウラ・パウジーニの歌を聴いてもらいたいもんですが、中途半端なレゲエやヒップホップのためにすっかり荒廃してしまった日本のミュージック・シーンにおいて今や珍しいオーソドックスなポップ・ミュージック。それが、ラウラ・パウジーニの歌う歌なのです。

そういえば、今から、ちょうど10年前くらい前、NHKのイタリア語講座が異様な盛り上がりで、一部の視聴者に熱狂的に支持されていました。

すっかりお茶の間に顔の売れたジローラモ・パンツェッタも、NHKイタリア語講座がTVデビュー(のはず)。

そして、寿引退したにもかかわらず、いまだにコアなファンから熱い視線を送られている山口もえも、この伝説的なNHKイタリア語講座でブレイクしたのです(たしか、私の記憶では)。

その後もNHKイタリア語講座は、大胆にも土屋アンナを起用して視聴者の度肝を抜く(土屋アンナの、まるでやる気のないようにも見えるぶっきらぼうな受け答えは、今思い返してもショッキングです)など、当時のTV番組の中で、もっとも実験精神に富んだシリーズでした。

そのNHKイタリア語講座は、毎回、最後にイタリアン・ポップスの紹介で終わるのですが、ラウラ・パウジーニのこのアルバムに入っている Incancellabile(忘れられなくて) や Mondo Che Vorrei(理想の世界)もそうして、日本に紹介されたのです。

ところで、ラウラ・パウジーニは、イタリアだけでなく、スペインそして、スペイン語が公用語のラテン・アメリカ諸国でも人気があって、よく知られているようです。

ラウラ・パウジーニはCDをだすとき、いつもネイティブのイタリア語だけでなく、スペイン語バージョンのディスクも吹き込んでいるので、スペイン語を話す国々でも、ラウラの歌は、普通に浸透しているようです。

スペイン語はイタリア語の方言みたいなものといいますから、歌いやすいんでしょうか?

(したたかなマーケティング戦略の結果かもしれないけど、、、。そりゃあ、人口数千万のイタリアだけで売れるより、外国でも売れたほうがもうかる)

でも、ラウラ・パウジーニの歌が、本国イタリアだけでない世界中の大勢の人々に愛されている理由は、なにより、声をはりさけんばかりにして絶唱する彼女の歌の力(さすがオペラの国の生まれです)、それと、その歌が運ぶメッセージにあるのだと思います。

たとえば、、、

Mondo Che Vorrei (理想の世界)

「今まで、何度も思いをめぐらしてきた  Quante volte ci ho pensato su,
この世界は崩壊しつつあって、  il mio mondo sta cadendo giu
狂気と偽善にまみれていると  dentro un mare pieno di follie, ipocrisie.

今まで、何度も望んだこと  Qante volte avrei voluto anch'io
自分が生きている世界を助けたいと  aiutare questo mondo mio,
苦しんでいる人たちのためにも  per tutti quelli che stanno soffrendo come te.

わたしの理想の世界は  il mondo che vorrei
あたたかい心を持つ人がたくさんいて  averbbe mille cuori,
愛にみちあふれている  per battere di piu avrebbe mille amori.

わたしの理想の世界は  il mondo che vorrei
未来の子供達に差し伸べる手と  avrebbe mille mani
思いやりにあふれている  e mille braccia per i bimbi del domani,
助けを訴える彼らの眼  che coi loro occhi chiedono di piu
みんなで彼らを救おう  salvali anche tu.

同じ太陽のもとに生きているなら  per chi crede nello stesso sole
民族も肌の色も関係ない  non c'e razza non c'e mai colore
信じる神様がちがっていても  perche il cuore di chi ha un altro Dio
みんな同じ心をもっている  e uguale al mio.

笑顔を願って  Per che spera ancora in un sorriso,
明日に期待を寄せる人たちがいる  perche il suo domani l'ha deciso
明日はすばらしい日であると信じている ed e convinto che il suo domani e insieme a te.
(中略)

どうして、手をこまねいていられるのか  Come si fa a rimanere qui,
成長することもやっとの子供達に  immobili cosi
無関心でいることができるのか  indefferenti ormai
耳を傾けるだけでなく  a tutti bimbi che non cresceranno mai
変えてゆく努力をしよう  ma dhe senso ha ascoltare e non cambiare
この世界が願っているのは平和  Regaliamo al mondo quella pace
それが私の理想の世界  che non puo aspettare piu nel mondo che vorrei uh uh uh

私の理想の世界では  nel mondo che vorrei
だれもが思いやりをもっている  avremo tutti un cuore.
私の理想の世界は  il mondo che vorrei
愛という名を持つ  si chiamerebbe amore.
この手をにぎりしめて  stringi forte le mie mani
わたしの理想の世界を信じて  e sentirai il mondo che voerrei
私の理想の世界を  uh uh uh il mondo che vorrei  」

この歌詞を読んでいて想い出したのが、ローマの街角。

日本では想像もつきませんが、イタリアにはジプシーという被差別民がいて、郊外にスラムを形成している。

ローマの街角で、ジプシーの子供達が物乞いをしたり、かっぱらいをしているのです。

それに、アフリカのソマリアやエリトリアあたりからの難民と思われるアフリカ系の人々も結構目に付きます。

一見、華やかなイタリア社会には、深刻な人種差別や、それに根ざす絶望的な貧困があるようです。

そんな過酷な現実が、ラウラの歌 Mondo Che Vorrei を生んだのでしょう。

細かい冷たい雨が降り続いています。

窓から、雨の日曜の夜の、明かりもまばらな夜景を見ながら、そんなことを思いました。


byらいおん   

Posted by らいおんまる at 22:23Comments(0)TrackBack(0)music & disc