2008年11月19日

ハンマースホイ展

ハンマースホイ展









大評判の絵画展が上野のナショナル・ミュージアムで開催されています(12月7日まで)。


ハンマースホイは、20世紀初頭のデンマークの画家。

北欧のフェルメールなんて評価も。

写実に徹底した作品ばかりですが、単なる写実におわっていない。

中途半端な抽象絵画よりも intellectual インテレクチュアルで考えさせます。


たとえば、この扉の絵
     ↓








マグリットやデルヴォーのように、ことさらに意味付けと解釈を強要するわけでもないのに、ついつい考えてしまいます。

連続する扉、無人の室内、は何を表わしているのか?

でも、すでに、「考える」=「意味を見つけようとする」ことが、この画家の絵を鑑賞する姿勢としてふさわしくないのかも、、、。

たぶん、画家は、自分の家の室内を、ひたすらリアルに写し取ろうとし、午後の移ろいゆく光を再現しようとしたにすぎない。
『描く』という衝動のままに、目に映ったありのままを描いただけなんでしょう、、、。

にもかかわらず、自然に何かを感じさせる絵画。

その「感じさせる」何かを、無心に受け止めることが大事なのかもしれない。










無言こそが最大の雄弁。

墨絵のように極端に色を減らした絵画の方が、極彩色のそれより説得力に富む。

禅のように、意味のない、意味など求めないところにこそ、真理がある。

無心に、ありのままを感じることが奥儀である。

、、、そんなことも思ったりしたのでした。

何かと忙しい年の瀬が迫り、それでなくとも世間が騒がしくなっているこの頃。

ハンマースホイの静かな絵が、疲れた心を、いやしてくれました。







by らいおん




  

Posted by らいおんまる at 20:44Comments(4)TrackBack(0)fine art