2007年11月25日

仮面の公爵2

☆前回から続く


私ことカフェ・マスター(以下Mとします) : 「どうも、大佐(カーネル)、お久しぶりです。ずいぶんご無沙汰でしたね!」

大佐(以下Cとします) : 「いや、まったく、月日のたつのは早いものじゃて。」

M : 「それはさておき、仮面の公爵と謎の科学者であった2人のキャヴェンディッシュ公爵についての話しですが、なんだか、隠された秘密がたくさんありそうなはなしですね!」

C : 「まったくもって、その通りですな。あまりにも謎が多く、情報がほとんどないので、サンジェルマンのような派手なストーリーにならないんですが、そこが、また、なんともリアリティがあるっちゅうか、我輩などは、実にこれほど、想像力をかきたてられる素材は、そうないんじゃないかと、かねがね思っちょります。」

M : 「ほう、というと、、、」

C : 「同時代人とは比べ物にならなかったほどの天才科学者でありながら、世を忍ぶようにして生きていた最初のキャヴェンディッシュと、その子孫で、ほんとうに世を忍んで地下と隠れ家で生活していた仮面の公爵。どうも、何かある。」

M : 「ラブクラフトのホラー小説に、似たようなのがありますね。えっーと、たしか、、、」

C : 「『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』という作品だね。うむ、あれは、じつにおもしろい。」

M : 「ちょっと長くて、メアリー・シェリーが書いた「フランケンシュタイン」みたいな昔風の怪奇小説ぽくて、ラブクラフトの作品の中では、中くらいの出来だとおもいますが、、、」

C : 「これ!めったなことを言うもんじゃありませんよ。ラブクラフトの小説と、そこに展開された互いに関連しあう一連の恐怖の物語の連鎖(ク・リトル・リトル神話とも言われます)は、どれも極上のワインのようなものです。もちろん、人によって、味わい方は、ちがってくるでしょうけどね。

 それは、さておき、チャールズ・ウォードの奇怪な事件という作品では、邪悪な魔術師が、3世代くらいの後の子孫を介して、この世に転生するという話しでした。」

M : 「まさか!キャヴェンディッシュも、同じように転生したと、おっしゃるんじゃぁ!、、、」

C : 「うむ。その可能性は否定できませんぞ」

(つづく)




M : 「おや、これは、めずらしい。マリオ・ケンペス夫人がいらっしゃいました。」

M : 「こんばんわ、ケンペス夫人!」

K(ケンペス) : 「このお店、まだやってたのね」

C : 「夫人、ご機嫌麗しゅう。」

K(ケンペス) : 「暇人が、2人して、また何を話し込んでいたのかしら?」

M : 「いやなに、キャヴェンディッシュ公爵の件ですよ。」

K(ケンペス) : 「ああ、あの変わった一族ね」

M : 「いま、仮面のキャヴェンディッシュは、大科学者の先祖の生まれ変わりかもしれないという話しをしてたんです。」

K(ケンペス) : 「おーほっほっ!さあ、それはどうでしょうね。あたしは、あの一族には、エイリアンの血がながれこんでると思ってますのよ。」

C : 「それも、一理ありますな。」

K(ケンペス) : 「そうに決まってます。ルイ・ボーウェルも言っているように、どうもあの一族には人間離れしたところがあるわ。科学者のキャヴェンディッシュのときに、エイリアンが公爵にすりかわったのよ、、、。想像してみなさい。ある夜、広大な公爵の領地の一角に流れ星が墜落した。でも、実はそれはUFOで、様子を見に行った公爵を誘拐して成りすましたに違いないわ。科学者のキャヴェンディッシュの異常な博識と100年くらい先を行っている発見の数々はただ事じゃなくてよ。」

C : 「うーむ。公爵は、知られているもの以外にも、秘密の研究や発見をしていたらしいですからな。」

M : 「そして、密かに、こわれたUFOを何とか修理しようとしていたのかも。」

K(ケンペス) : 「そして、クローンを作って子孫を残したんだわ。科学者のキャヴェンディッシュ自体は結婚した気配がないけれど、クローンは、一見、普通のイギリス人として結婚し、公爵家を継承する子孫を残したのよ」

M : 「そうすると、仮面の公爵が素顔を決して、人にみせなかったというのは、もしかしたら、隔世遺伝によって、地球の生命体にない要素が顔に現われたからかもしれない。」

C : 「仮面の公爵は、ひどくみにくい顔をしていたからだと推測されていますが、そもそも地球人の顔じゃなかったというわけか!」

K(ケンペス) : 「キャヴェンディッシュの顔が醜かったなんて、お笑い草だわ。仮面の公爵には弟がいて、大変な美男子で有名だったそうよ。」

M : 「ほう。弟がいたんですね」

C : 「そうです。弟がいたんですが、あるとき、屋敷の庭で変死しているのが見つかった。秘密を守るため兄の仮面の公爵が殺してしまったとも言われています。」

M : 「うーん、謎めいていますなぁ」

C : 「ただ、科学者のキェヴェンディッシュ公爵については、別の可能性も考えるべきかもしれませんぞ。」

K(ケンペス) : 「というと。」

C : 「公爵の博識ぶりと同時代をはるかに進んだ知識には、時間旅行者としての可能性も考えられる。サンジェルマン伯爵もそうで、カッセルで最後に消える直前、『自分は次の時代のための準備をしなければならない』と言い残しています。」

K(ケンペス) : 「ま、時間というのは、実は、いろんなところで、複雑に入り組んでいるようだしね。」

M : 「未来から過去に行ったり、」

C : 「その逆もありうる。」





M : 「おや、これは、ステキなお嬢さんがいらっしゃいました」

T : 「こんばんわ、旅烏です。」

M : 「何か飲まれますか?」

T : 「えーと、何がいいかしら。」

C : 「マスター、カルヴァドスはあるかね?」

K(ケンペス) : 「ダメよ、大佐。そんな強いお酒を飲ましちゃ」

C : 「そうかね。じゃ、コアントロを、わしがおごりましよう」

M : 「大佐、気前がいいですね」

C : 「いやいや、かわいい女の子にお酒をおごるっていうのは、人生の楽しみの一つですよ」

(マスター、コアントロをショットグラスに、、、)

K(ケンペス) : 「ちょっと、マスター、ダメダメ、いくら、甘口で飲みやすいコアントロだって、こんな若い子にストレートで飲ますなんて、あたくしがゆるしませんよ!」

M : 「おっと、いけない。つい、大佐に出すのと同じになってしまいました。では、コアントローポリタンを作りましょう。氷の入ったシェイカーにコアントロー30mlとレモンジュース1/2個、クランベリージュースを適量入れてシェイク、シェイク、シェイク、ストレーナーでこしたあと、マティーニグラスに注いで、はい!出来上がり」

T : 「おいしそう。ありがとうございます。」

K(ケンペス) : 「旅烏ちゃん、ここのコアントローポリタンはね、まるで、冷えた雲を飲むようでおいしいわよ。」

C : 「わしも、コアントロが飲みたくなってきたな。マスター、ストレートじゃ芸がないから、イン・トニックで頼むよ。」

M : 「はいはい、ロンググラスに氷を入れて、30mlのコアントローを入れ、よく冷えたトニックウォーターをそそぎ、よくかきまぜる。仕上げに、ライムを入れて、はいどうぞ」

K(ケンペス) : 「みなさん、コアントロね。マスター、あたしにも何か作ってよ。でも、お酒は飲みたくない。ドルチェが食べたいわ。しかも、コアントロの風味を味わえるのじゃなくてはだめよ」

M : 「分かりました。では。桃のコンポートを作りましょう。新鮮な桃に白ワインとコアントローとグラニュー糖、隠し味にレモンスライスを入れてっと、、、はい、夫人、召し上がれ」

K(ケンペス) : 「あら!おいしい!!こんな店だけど、味はぴか一ね」

M及びC : 「はっはっは!」



K(ケンペス) : 「ところで、旅烏ちゃん、そこに持ってるのは何かしら?」

T : 「イラストです。」

C : 「ほう、ちょっと見てみたいね。」

K(ケンペス) : 「まあ、ちょっと、見せなさいよ」

K、C、M : 「おうっ」




M : 「すばらしい絵だね!」

C : 「うん、この顔の表現がなんとも繊細で見事じゃ」

K(ケンペス) : 「これは、いったい誰なの?」

T : 「サンジェルマン伯爵の肖像です。わたしが、偶然入手したものなんです。」

C : 「うーん、こりゃ、本人が見たら、感激するやろな」

M : 「いや、たぶん、きっと見ますよ」

K(ケンペス) : 「そうね。そのうち、コンタクトがあるかもよ」

T : 「コンタクトがあると思いますか?」

K(ケンペス) : 「そうよ、さっきも言いかけたけど、時間て言うのは、いろんなところで裂け目ができていて、人が行き来できるみたいだから」

M : 「ほう、ケンペス夫人、何か訳知りな言い方ですね」

K(ケンペス) : 「ヴェルサイユの幽霊の話、皆さん知ってるかしら?大佐は知ってると思うけど。」

C : 「ああ、あの有名な話ね」

M及びT : 「知りません。ぜひ、聞かせてください。」

K(ケンペス) : 「わかったわ、じゃ、話すとしましょう。ごく普通の人でも、ひょんなことから、時間の裂け目を通り抜けてしまうことがあるってことが分かるわよ。」


☆次回に続く  

Posted by らいおんまる at 23:36Comments(5)TrackBack(0)mystery