2007年06月25日
ギーガーへのオマージュ & ラブクラフト礼賛
ギーガー礼賛

ギーガーは、スイス人画家ですが、ちょっと(いや、かなり)セクシャルそして、無機質で硬質なメカとやわらかい生物の肉体が絶妙に混ざり合ったような、怪しい魅力に満ちた絵画で知られています。彼は、映画「エイリアン」の美術担当に選ばれたことで一躍有名になりました。
「エイリアン」で、ギーガーは、異界のおどろおどろしくも絢爛たるイメージを見事に表現しています。宇宙的な恐怖に満ちたそのイメージは、20世紀初頭のアメリカが生んだ古今東西を通じて最大のコズミック・ホラー作家たるラブクラフトの世界を見事にイメージ化したものでもあります。(※コズミック・ホラー=宇宙的恐怖)

ラブクラフトの作品。それは、芳醇なまでにまがまがしいミステリーとホラーの結合したものです。その短い人生において、「宇宙からの色」「ピックマンのモデル」「ダンウィッチの怪」そして、空前絶後のホラー大作「恐怖の山脈」などの傑作を次々と生み出した彼は、驚くほどの首尾一貫性を持ちつつ、独自の宇宙的神話「クトゥルー神話」をベースに、恐怖小説を書き続けました。
この地球は、実は、太古のむかし、旧神といわれる邪悪かつ強力な神々の支配する世界であった。いったんは、地球外に追われ、あるいは封印された旧神たちであったが、そのパワーを持続しつつ、地球の支配権を取り戻す日を虎視眈々とうかがっている、、、。これが、クトゥルー神話の骨子ですが、その神話を歴史を通じて連綿と伝える魔道書「ネクロノミコン」といった道具立てなどによって、華麗なまでに装飾されたラブクラフトのホラー小説群は、あたかもギーガーの怪しい装飾性に満ちたイラストレーションと相通じるものがあります(実際のギーガーの作品には、「ネクロノミコン」という題名の連作があります)。
そして、ラブクラフトの死後もなお、その神話体系を受け継ぎつつ、アメリカはもちろんのこと、世界中の作家がクトゥルー神話に基づくホラー作品を書きついでいます。こんな現象は、ほかには類を見ません。
クトゥルーというのは、ラブクラフト神話の邪神ですが、その姿は、実に奇天烈なもので、こんな感じです。「イカのような、触手の塊で出来た頭部、鉤爪のある手足、鱗におおわれたぬらぬらした体、細い翼を持ち、山の様に大きい。現在はルルイエと呼ばれる太平洋上の遺跡の中で目覚めの時を待っている。」
クトゥルーをはじめ、ラブクラフト神話の邪神たちは、みんなちょっと、私の貧弱な想像力では、陳腐な像しか想像できないものです。
いろんな画家がヴィジュアル化してますけど、そのまま絵にするとちょっと、タコの化け物のような、へんてこな感じになることが多いです。

上のイラスト、あんまり怖くも、気持ち悪くもない。やっぱり、アメコミチックなのは、いまいちだなぁ
でも、クトゥルーをはじめ、ラブクラフトの旧神たちは、ほんとに怖くて、この美しい世界にこんな醜くておそろしいものが隠されていることを知ったら、生きることに絶望するほかないほどの暗黒の存在なのです。
そういえば、カルト的人気をほこるジョン・カーペンターの「遊星からの物体X」(すごい名前じゃね、円谷プロかい)は、私、ぜったい、ラブクラフトの「恐怖山脈」が下敷きにあると思います(「恐怖山脈」は、南極で凍っていた地球外の邪悪な生物をよみがえらせてしまう物語です)。

クトゥルーなどの恐怖のイメージ、本当の意味でラブクラフトの精神をイメージ化することに成功しているのは、ギーガーただ一人かもしれません。
ギーガー&ラブクラフト礼賛。執拗に繰り返される、不道徳で、倫理崩壊的なイメージには、幻惑されるばかりです。



byらいおんまる

ギーガーは、スイス人画家ですが、ちょっと(いや、かなり)セクシャルそして、無機質で硬質なメカとやわらかい生物の肉体が絶妙に混ざり合ったような、怪しい魅力に満ちた絵画で知られています。彼は、映画「エイリアン」の美術担当に選ばれたことで一躍有名になりました。
「エイリアン」で、ギーガーは、異界のおどろおどろしくも絢爛たるイメージを見事に表現しています。宇宙的な恐怖に満ちたそのイメージは、20世紀初頭のアメリカが生んだ古今東西を通じて最大のコズミック・ホラー作家たるラブクラフトの世界を見事にイメージ化したものでもあります。(※コズミック・ホラー=宇宙的恐怖)

ラブクラフトの作品。それは、芳醇なまでにまがまがしいミステリーとホラーの結合したものです。その短い人生において、「宇宙からの色」「ピックマンのモデル」「ダンウィッチの怪」そして、空前絶後のホラー大作「恐怖の山脈」などの傑作を次々と生み出した彼は、驚くほどの首尾一貫性を持ちつつ、独自の宇宙的神話「クトゥルー神話」をベースに、恐怖小説を書き続けました。
この地球は、実は、太古のむかし、旧神といわれる邪悪かつ強力な神々の支配する世界であった。いったんは、地球外に追われ、あるいは封印された旧神たちであったが、そのパワーを持続しつつ、地球の支配権を取り戻す日を虎視眈々とうかがっている、、、。これが、クトゥルー神話の骨子ですが、その神話を歴史を通じて連綿と伝える魔道書「ネクロノミコン」といった道具立てなどによって、華麗なまでに装飾されたラブクラフトのホラー小説群は、あたかもギーガーの怪しい装飾性に満ちたイラストレーションと相通じるものがあります(実際のギーガーの作品には、「ネクロノミコン」という題名の連作があります)。
そして、ラブクラフトの死後もなお、その神話体系を受け継ぎつつ、アメリカはもちろんのこと、世界中の作家がクトゥルー神話に基づくホラー作品を書きついでいます。こんな現象は、ほかには類を見ません。
クトゥルーというのは、ラブクラフト神話の邪神ですが、その姿は、実に奇天烈なもので、こんな感じです。「イカのような、触手の塊で出来た頭部、鉤爪のある手足、鱗におおわれたぬらぬらした体、細い翼を持ち、山の様に大きい。現在はルルイエと呼ばれる太平洋上の遺跡の中で目覚めの時を待っている。」
クトゥルーをはじめ、ラブクラフト神話の邪神たちは、みんなちょっと、私の貧弱な想像力では、陳腐な像しか想像できないものです。
いろんな画家がヴィジュアル化してますけど、そのまま絵にするとちょっと、タコの化け物のような、へんてこな感じになることが多いです。

上のイラスト、あんまり怖くも、気持ち悪くもない。やっぱり、アメコミチックなのは、いまいちだなぁ
でも、クトゥルーをはじめ、ラブクラフトの旧神たちは、ほんとに怖くて、この美しい世界にこんな醜くておそろしいものが隠されていることを知ったら、生きることに絶望するほかないほどの暗黒の存在なのです。
そういえば、カルト的人気をほこるジョン・カーペンターの「遊星からの物体X」(すごい名前じゃね、円谷プロかい)は、私、ぜったい、ラブクラフトの「恐怖山脈」が下敷きにあると思います(「恐怖山脈」は、南極で凍っていた地球外の邪悪な生物をよみがえらせてしまう物語です)。

クトゥルーなどの恐怖のイメージ、本当の意味でラブクラフトの精神をイメージ化することに成功しているのは、ギーガーただ一人かもしれません。
ギーガー&ラブクラフト礼賛。執拗に繰り返される、不道徳で、倫理崩壊的なイメージには、幻惑されるばかりです。



byらいおんまる


