2007年05月26日
至福の時間
今、六本木に新しくできた国立ミュージアムで開催されている「モネ」展を見に行ってきましたぁ!

10年くらいまえに、「大ルーブル展」というのに行って、すっかり幻滅して以来、こういう美術展は敬遠していたのですけど、実に!すばらしい展覧会でした。
これだけの数のモネの絵が、一同にそろうというのも「ありえない!」くらいすごい事のようですが、画集とか、ポストカードで見るのと、実物はぜんぜん違いますね。
とにかく、びっくりするくらい、絵が明るいんです。
なまなましくって、見ていてドキドキするくらい!
有名な日傘の絵(上図)とか、戸外でスケッチするレディを描いた絵とか、風になびくポプラの絵とか、光と色彩に満ちている。いえ、それだけじゃない。生の喜びに満ち溢れているんです。おちついたサロン風の絵に慣れていた当時の人々には衝撃的だったということが良く分かりました。
やっぱり、これは、現物を見なきゃ、体感できないことです。そんなモネの本物の絵(有名なもの以外にも、いっぱいあるんですねぇ!)がたっぷり見て、感じ取れる。それだけでも、見に来てよかった。

それと、企画・監修が「すごい!」。すなわち、モネは、光の効果を画面に写し取るために、同じ構図で天候とか時間の違う絵を何枚も描いているのですが、そのような実験的な姿勢を検証できるような配置になっています。たとえば、ベニスの絵とか、ルーアン大聖堂の絵とか、ロンドンのウォータールーブリッジの絵とか、同じ構図で朝とたそがれどき、明け方と雪の日とか並べて置いてあるんです。
おまけによかったのが、あたかも「引き立て役」のごとくに横っちょの別室で展示されている「モネに影響を受けた」現代画家達の作品群です。まったく、どいつもこいつもって感じで、、、(かろうじて、気を吐いているのはリキテンシュタインくらいのもの)。
やっぱり巨匠にはかなわないのね、何がって?才能より何より、はっきり言って、絵に対する「パッション 情熱」が、格段劣ります。
だって、モネの絵の、ぐりぐりと情念をこめて塗りこんでいるような筆致を見たら!それだけで、感動ものです。

というふうに、すっかり、モネ・ワールドに夢中になりながら、絵を見て回っていると、あっというまに時は経ち、閉館5分前を告げるアナウンスが!
そう、わたしは、金曜日の夜の特別開館時間延長を利用して、夕方の6時に美術館に入場したのでした(閉館は8時)。
でも、私にとっての本当のクライマックスは、それから訪れたのです。受胎告知のように突然に。

あわてて、去っていく人々を尻目に、それでも去りがたい私は、なおも気に入った朝霧に煙る黎明(夜明け)のセーヌ川を描いた一枚を見つめていたのです。気づくと、あんなにたくさんいた人々はもう姿がなく、絵と観衆を監視する学芸員も、席をはずしており、その絵のある部屋には、私しかいないのでした。
そして、私は、そのまま、その絵の中に描かれたセーヌ川の岸辺へと吸い込まれてしまったのです。朝の訪れを告げる鳥達のさえずり、肌にしっとりとまとわりつく朝霧、セーヌのせせらぎ、風に揺れる岸辺の木々の梢、、、この一瞬、私は、日常の全てを忘れました。緊張に満ちた仕事、安いサラリー、思うに任せぬ実らぬ恋、実家の母の交通事故、過去の後悔、未来の不安、、、。

私を、現実の世界に呼び戻したのは、警備員さんでした。そして、私は、ゴダールの映画「はなればなれに」の中の有名なシーン(ルーブル・グランドギャラリーでかけっこをする)を再現するかのように、美術館を小走って(一度やってみたかった!)、出口へと急いだのでした。
最後の、美術館を走るのも含めて、本当に、至福の時間を過ごすことができましたよ。
まだ1ヶ月くらいやっているので、みなさんもぜひ見に行ってみてください。

公式サイトはこちら → http://monet2007.cocolog-nifty.com/blog/

byらいおんまる

10年くらいまえに、「大ルーブル展」というのに行って、すっかり幻滅して以来、こういう美術展は敬遠していたのですけど、実に!すばらしい展覧会でした。
これだけの数のモネの絵が、一同にそろうというのも「ありえない!」くらいすごい事のようですが、画集とか、ポストカードで見るのと、実物はぜんぜん違いますね。
とにかく、びっくりするくらい、絵が明るいんです。
なまなましくって、見ていてドキドキするくらい!
有名な日傘の絵(上図)とか、戸外でスケッチするレディを描いた絵とか、風になびくポプラの絵とか、光と色彩に満ちている。いえ、それだけじゃない。生の喜びに満ち溢れているんです。おちついたサロン風の絵に慣れていた当時の人々には衝撃的だったということが良く分かりました。
やっぱり、これは、現物を見なきゃ、体感できないことです。そんなモネの本物の絵(有名なもの以外にも、いっぱいあるんですねぇ!)がたっぷり見て、感じ取れる。それだけでも、見に来てよかった。
それと、企画・監修が「すごい!」。すなわち、モネは、光の効果を画面に写し取るために、同じ構図で天候とか時間の違う絵を何枚も描いているのですが、そのような実験的な姿勢を検証できるような配置になっています。たとえば、ベニスの絵とか、ルーアン大聖堂の絵とか、ロンドンのウォータールーブリッジの絵とか、同じ構図で朝とたそがれどき、明け方と雪の日とか並べて置いてあるんです。
おまけによかったのが、あたかも「引き立て役」のごとくに横っちょの別室で展示されている「モネに影響を受けた」現代画家達の作品群です。まったく、どいつもこいつもって感じで、、、(かろうじて、気を吐いているのはリキテンシュタインくらいのもの)。
やっぱり巨匠にはかなわないのね、何がって?才能より何より、はっきり言って、絵に対する「パッション 情熱」が、格段劣ります。
だって、モネの絵の、ぐりぐりと情念をこめて塗りこんでいるような筆致を見たら!それだけで、感動ものです。
というふうに、すっかり、モネ・ワールドに夢中になりながら、絵を見て回っていると、あっというまに時は経ち、閉館5分前を告げるアナウンスが!
そう、わたしは、金曜日の夜の特別開館時間延長を利用して、夕方の6時に美術館に入場したのでした(閉館は8時)。
でも、私にとっての本当のクライマックスは、それから訪れたのです。受胎告知のように突然に。
あわてて、去っていく人々を尻目に、それでも去りがたい私は、なおも気に入った朝霧に煙る黎明(夜明け)のセーヌ川を描いた一枚を見つめていたのです。気づくと、あんなにたくさんいた人々はもう姿がなく、絵と観衆を監視する学芸員も、席をはずしており、その絵のある部屋には、私しかいないのでした。
そして、私は、そのまま、その絵の中に描かれたセーヌ川の岸辺へと吸い込まれてしまったのです。朝の訪れを告げる鳥達のさえずり、肌にしっとりとまとわりつく朝霧、セーヌのせせらぎ、風に揺れる岸辺の木々の梢、、、この一瞬、私は、日常の全てを忘れました。緊張に満ちた仕事、安いサラリー、思うに任せぬ実らぬ恋、実家の母の交通事故、過去の後悔、未来の不安、、、。

私を、現実の世界に呼び戻したのは、警備員さんでした。そして、私は、ゴダールの映画「はなればなれに」の中の有名なシーン(ルーブル・グランドギャラリーでかけっこをする)を再現するかのように、美術館を小走って(一度やってみたかった!)、出口へと急いだのでした。
最後の、美術館を走るのも含めて、本当に、至福の時間を過ごすことができましたよ。
まだ1ヶ月くらいやっているので、みなさんもぜひ見に行ってみてください。
公式サイトはこちら → http://monet2007.cocolog-nifty.com/blog/

byらいおんまる


